文章は「人民ネット日文版」が由来します
中国では誰かに会った時にまず、「ご飯食べた?」とあいさつ代わりに聞く人が多いが、中国のネット上で今、「ネコとじゃれ合った?」と聞くのが流行している。そして、ネコが、人と人の交流ツールになっており、ネコを飼っている人同士は話題に尽きない。このほど、阿里巴巴(アリババ)が発表した「ネコ病患者の治療ガイド」は、「ネコ病」患者の症状や治療法をいろんな面から示している。
ネコに完全にはまってしまったネコマニアの人は、自分のことを「ネコウイルス」に感染した新型都市病「ネコ病」の患者と呼んでいる。「ネコ病患者」は、しょっちゅうネコを見ながらニヤニヤ笑い、ネコのにおいを嗅ぐような動作をする。中には、「ネコと24時間以上別々になることはできない」という人もいるほどだ。アリババの統計によると、「ネコ病患者」は上海、北京、広州、深セン、成都などの大都市に特に多く、中年層、低年齢層が主だ。統計によると、中でもネコが最も好きなのは上海の人で、ネコ関連の注文16件につき1件が上海だ。また、上海でネコを飼っている人が最も密集しているのは浦東新区だ。
アリババが27日に発表した統計によると、2017年、ネコを飼っている人はネコのためにオンラインショップ・淘宝で計約100億元(約1700億円)を使った。ブラシグローブだけでも25万個売れ、今年一年だけで、1万7000種類の新しいネコグッズがオンラインショップで登場した。統計によると、中国のペット市場はすでに世界3位の規模になっており、業界関係者は、今年その規模は1800億元(約3兆300億円)に達し、20年には2000億元(3兆4000万円)を突破すると予測している。
上海静安区に住む王さん(女性)は、典型的な「ネコマニア」。年収は約10万元(約170万円)で、そのうち1万5000元(約25万5000円)をネコのために使っている。その多くは、毎日作っている「自家製」のエサに使っているという。サーモンやマグロを一日に三度あげているといい、さらに淘宝で、ネコ用の全自動トイレも購入した。その他、ネコの美容などにもお金をかけ、ネコに人間よりもセレブな良い生活を送らせている。
年末前に、淘宝の購入記録を見るまでは、ネコにこんなにたくさんのお金を使っていることに気付かなかったという王さんは、「計算してみると、毎月1000元(約1万7000円)以上使っている。でも、私はそれでとても楽しいから、安いものだわ」と笑顔で話した。
もちろん、ネコを飼っている人のほとんどはネコに使うお金を節約しており、1ヶ月当たり150元(約2550円)ほどを使うだけ。猫砂やキャットフードなど、必要最低限のものしか買わないという原則を守っている。そのような人は、「ネコのおもちゃが少なければ少ないほど、ネコと人の関係が親密になる」と信じている。
このデータは、アリババのビッグデータとも一致しており、中国人がネコのためにかけるお金は1ヶ月当たり約300元(約5200円)だ。
もうすぐ成人を迎える00後(2000年代生まれ)もネコを飼い始めている。00後はネコ語翻訳機、ペット用スマートウォーターサーバーなど、新製品のペット用グッズを好んでいるようだ。たが、そのようなハイテク関連のグッズは少々値段が張る。
何かと話題になる90後(1990年代生まれ)は現在、ネコを飼う主力軍となっている。淘宝だけでも、90後の300万人が商品を購入しており、ネコの食事には特に気を使っている。そして、輸入品の缶詰やキャットフードなども、惜しげもなく買っている。ある90後の若者は、「ネコが怪我したり病気になったりしなければ、ネコの医療費をかなり節約できる。だから、ネコの好きなエサやグッズはできるだけ買ってあげる」とした。
ネコを飼っている人の主力グループを見ると、もちろん80後(80年代生まれ)の女性もかなり多い。ただ、男性も36%いる。ネコマニアが最も多いのは北京市朝陽区、広州市白雲区、深セン市宝安区などだ。
ペットを飼うというのが中国で現在流行しているものの、米国やドイツ、日本などの先進国と比べると、中国のペット経済はまだ初期段階だ。また、業界内のユニコーン企業が不足しており、各種ブランドもバラバラの状態だ。しかし、中国のペット経済には発展の大きな余地があるとも言え、近年ペット用の医療、世話、グッズなどの関連の産業チェーンが急速に発展するにつれ、中国のペット市場は爆発的成長の段階に入っている。